金アレルギーとロジウムメッキ加工

ネックレス




肌見せの季節がやってくると、お手入れのご相談やアレルギーのご相談が多くなってきます。
先日、金素材でアレルギーが出るようになってきたので、ロジウムメッキ加工をかけたい、
というご相談を受けました。


ご相談は、カラーゴールドで「かぶれ」が生じるが、ロジウムメッキ加工を施したものであれば大丈夫ということが分かったので、イエローゴールドにロジウムメッキ加工を施したい、というものでした。


イエローゴールドやピンクゴールドにロジウムメッキ加工を施すことは、技術的には簡単なことなのですが、ここには大きな注意点があります。



問題1.ロジウムメッキ加工でアレルギーが防げるか?


ロジウムメッキにアレルギー症状が出ないのであれば、ロジウムメッキ加工を施した直後は問題ないと思われます。
ただ、メッキ加工は、0.1ミクロン程度という薄い皮膜です。
特に、これからの季節は、汗をかきやすく、摩耗が早まります。


全体には、目立たない程度の摩耗でも、一部分から摩耗してきます(特に、首の後ろにあたる、留め金具あたりから摩耗が始まることが多いようです)


そうすると、その部分にかぶれが生じてくる可能性が高く、少しでも摩耗してきたら、再メッキの必要性が出てきます。
真夏であれば、早ければ1-2か月サイクルで、ロジウムメッキ加工を繰り返さないと、使用できない可能性もあります。
これは、あまり現実的ではありません。




問題点2:もう一度金色に戻せるか?


これは、下地処理の問題が大きいです。
ロジウムメッキ加工は、下地にニッケルを入れれば
あとで薬剤による剥離が可能になり、もとに戻すことも簡単なのですが、
ニッケルはアレルギーが出やすい金属ですので、K18でかぶれが出ているようであれば、おそらくニッケルにも反応します。
通常、18金の下地には入れません。




このため、ニッケルをいれず、
18金に直接ロジウムメッキ加工をかける施法をとるのが一般的です。
(ホワイトゴールドには、直接ロジウムメッキ加工を施すのが一般的です)


しかし、直接ロジウムメッキ加工を施すと、あとで元に戻したい
と言った場合、磨き落とすしかありません。


平たいリングのようなものであれば、ほぼ完全にキレイになるのですが
チェーンのように、細かなパーツが連なったものは、工具が入らず
キレイにおとすことができません。


特に、1mm幅のチェーンなどでは、チェーン切れを起こすため
ほとんど、磨きを施すことができず、


一旦、ロジウムメッキ加工を施すと、2度とK18のもとの状態に戻すことはできない、と言っても過言ではありません。
(自然に摩耗し続けるのを待つか、金メッキ加工しかありませんが、どちらもあまり現実的ではありません)


摩耗してきたときに、イエローの生地が見えるのは
とても気になりますし、この時点で、すでにかゆみが出てくる可能性も高く、おすすめできない手法です。





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